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中世末期以来、ハプスブルク家支配のもとカトリックの伝統が息づく場所として、豊かな文化が培われてきたネーデルラント南部(現在のベルギー)。この地が一時バイエルン選帝侯の所領となった18世紀初頭には、選帝侯がミュンヘンから連れてきた作曲家たちの活躍を通じ、フランス宮廷音楽に加えて最新のイタリア様式が大きな影響を及ぼしました。イタリア人の宮廷作曲家を父にベルギーで生まれたフィオッコは、その短い生涯の中で後期バロックの伊仏両様式をともに咀嚼吸収、独自の美しい音楽世界を紡ぎ出した重要人物。復活祭前の聖週間に行われる静謐な礼拝のために彼が作曲した小編成教会音楽の数々は、フランス式の作曲分野でありながらイタリア流儀の歌心にあふれ、その才覚をじっくり堪能できる充実作ばかりです。ヨーロッパ各地で活躍するポルトガル出身の古楽プレイヤーたちが集うアンサンブル・ボンヌ・コルドは、その魅力の粋を追求すべく、フィオッコが書いた聖週間のための哀歌を2枚のCDで網羅。ブリュッセルとアントウェルペンで作曲された11篇全てを収めた録音はこれが初めてです。 (C)RS
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